原作者は、「64」「半落ち」「クライマーズ・ハイ」「臨場」横山秀夫
「64」のように警察内部の話でなく、殺人事件も出てきません。
主人公は1級建築士の青瀬「あなたが住みたい家を建てて下さい。」という依頼を受け、長野県に家を建てます。
家は完成し、引き渡しも済みますが、依頼主の吉野は謎の失踪。
何故、無名な建築士の青瀬吉野は依頼をしてきたのか?
何故、吉野の依頼は、青瀬「住みたい家」だったのか?
何故、家の引き渡しも済み、引っ越し予定だった吉野が失踪したのか?
建てた家の中にあった“タウト”の椅子は何を意味する?
吉野家族と一緒にいた背の高い女、吉野を追い回す赤い顔の男は誰?
青瀬の生い立ちから、バブルの崩壊、現在の事務所の汚職事件、目まぐるしく話が展開していきます。
横山秀夫の本は読みやすく、面白かったので、一気に読んでしまいました。
ドラマ化・映画化を望んでしまいます。そして、必ず見たいと思います。
主人公は45歳、阿部寛さんで良いと思いますが、ドラマ“結婚しない男”になってしまいます(笑)(役柄が一級建築士だったから)
建築用語、ドイツの建築家ブルーノ・タウトについては、少し難しかったかな。

あらすじ

主人公 青瀬稔は、以前は無名な1級建築士でした。
しかし、ある依頼をうけて建てた家が「平成すまい200選」に掲載された事により、遠方からの仕事も舞い込むようになります。
そのきっかけを作った家は、長野県信濃追分の“Y邸”
“Y邸”と同じ家の建築を希望する浦和さんが、わざわざ“Y邸”を見学に行ってから、事件が発覚します。
“Y邸”の持ち主 吉野さんが居住している雰囲気がなく、「無人住居」だと言うのです。
不安に思った青瀬は、とりあえず電話をしてみますが、留守電が反応したのでホットします。
青瀬にとって、依頼主 吉野陶太は「友達以上」の関係と位置付けていました。
理由は、吉野の依頼が「すべてお任せします。青瀬さん、あなた自身が住みたい家を建てて下さい」に感動したのです。
しかし、仕事を引き受けた時の熱さから、引き渡した後の音沙汰のなさの冷たさの落差が、青瀬をがっかりさせました。
青瀬と事務所の社長岡嶋は、信濃追分の吉野邸まで行き、住居のカギ穴周りの傷を見て不審に思います。
なんと無施錠の住所に侵入を試み、足跡だらけのフローリングに驚きながら、家中を見回します。
備品はダイニングテーブルとイス5脚しかなく、人が住んでいるとは思えないほど寒々しい状態。

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ウォークイン・クローゼットの中に、ドイツの建築家タウトの椅子をみつけます。
このタウトの椅子が意味する物は何なのでしょうか?

~青瀬の回想~

 青瀬は8年前に離婚をし、現在13歳の娘 日向子がいて、月に1度面会を許されています。
妻はインテリアデザイナーで、バブルの頃はお互いバリバリ仕事をし、レベルの高い生活をしていました。
自分の持ち家を考えた時、互いの考えが全く反対だったことを知り、青瀬はショックを受けます。
妻が欲しかった家は木材をふんだんに使用した和風建築で、青瀬が設計している仕事を否定する事になってしまったのです。
子供が生まれ、バブルが弾け、青瀬は失職し、家庭内不和で離婚という過去を引きずっていました。

ノースライトとは

「北向きの家」北側の窓を開け、ノースライトを採光の主役に抜擢し、他の光は補助光に回すこと。

まとめ

横山秀夫の作品は、“警察”と思い、内容が“固い”と想像してしまいます。
しかし、会話が多い部分もあり、文体も難しい言い回しはないので、読みやすいです。
謎解きの予想もつかず、“土曜ワイド劇場”のいつも犯人役俳優のような「この人怪しい」もないです。
本の表紙が油絵?で暗く、窓辺に椅子一個。
重々しくて、手に取りづらいですが、殺人事件ではないのが意外でした。
面白いのでお勧めです。

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