この本は、東京都世田谷区桜丘中学校の現校長 西郷孝彦さんが書かれた本です。
この学校に10年、校長先生としてお勤めしています。
10年間、学校生活を変えていった事

  • 定期テスト廃止
  • 宿題廃止
  • チャイム廃止
  • 授業中、昼寝OK・他勉強してもOK・廊下で勉強OK
  • 登校時間自由
  • 服装・髪型自由
  • スマホ・タブレット持ち込み可

定期テスト廃止

中間、期末テストを廃止し、授業終了時間10分前に“積み重ねテスト”をしているそうです。
“積み重ねテスト”とは、先生が範囲を生徒たちに予告し、授業の理解度を知るテストを催しています。
そこで、良い点を取れなくても“リベンジ制度”があり、同じ範囲で再チャレンジの機会を、生徒たちに与えているそうです。
そして、どちらか点数が良い方を、成績に反映させているそうです。

宿題廃止

“積み重ねテスト”で良い点数を取るため、生徒たちは自然に勉強をしてくるそうです。
なので、宿題を出されると、勉強する時間を確保できなくなるため、なくなったそうです。

チャイム廃止

生徒たちの中には「大きな音」が苦手な子がいて、その配慮も兼ねています。
しかし、チャイムがなくても、生徒たちが自主的に行動するようになりました。
北欧の学校は、チャイムがないそうです。

授業中、昼寝OK

校長先生は「授業中、生徒が寝てしまうのは、内容がつまらないから。寝て欲しくなければ、面白い授業をすればよい」との事。
世田谷桜丘中学校の生徒たちは、先生の授業内容を評価する機会を与えられています。
「つまらない」と言っても良いし、反対に人気にある先生は、職員室前の廊下で生徒たちが質問に訪れ、周りを取り囲んでいるそうです。
人気がなく職員室で1人ポツンといた先生は、その現状を打破しようと、授業内容を改善に努力するようになるそうです。

登校時間自由

小学生の時、不登校ぎみの子たちへの配慮も含んでいます。
登校時間が決まっていて、間に合わないと「欠席で良いか」と、登校を諦めてしまう生徒がいるそうです。
なので「間に合わなくてもOK。」という意味も込めています。

服装・髪型自由

校長先生は「なぜ、靴下は白。セーターは黒か紺」なのか、先生に説明させても、ちゃんとした答えが出てこなかったそうです。
生徒の中に、お気に入りの服装にこだわりがあり、中学生の制服に強い抵抗感を持っている子がいたそうです。
その子たちへの配慮もありました。
みんなが安心して学校へ登校できるように自由服、頭髪も自由にしました。
しかし、世田谷桜丘中学校には制服があります。自由服でも制服でも良いということです。
そして、制服は“ダサダサ”制服から一新し、生徒の希望を取り入れた可愛らしい制服に変わりました。

スマホ・タブレット持ち込み可

字を理解しづらい障害を持った子が、タブレット音声学習をしたいと申し出した為、OKになりました。
しかし、スマホ・タブレットは完全な自分管理なので、ゲームをする為に持ってくる子はいないそうです。

西郷先生

世田谷桜丘中学校の校長先生 西郷先生はIT企業のサラリーマンでした。
しかし、教員に転職し、養護学校、校内暴力がひどい時代の大田区の中学校、品川区の中学校と勤務していきました。
大田区時代の校長と意見が対立し、品川区の校長に誘われ転勤。
移転先の校長先生に良くして頂き、勉強を促され、努力し校長まで上り詰めたそうです。

まとめ

たった10年間で「中学生の自由を奪う教育が正しい」という考えを、ひっくり返した事は、素晴らしいと思います。
理想的な中学校ですよね、こんな中学校があれば行きたかったです。
本の中で、「学校は世田谷にあるが、みんな普通の家庭の子たち」とあります。
しかし、世田谷 = 高級住宅街 という印象があり、ある程度の学歴、都心の優良企業に勤務している両親を持ち、裕福な家庭の子なのかな。
中学は公立だけど、進学を希望している高校・大学も偏差値が高い所を目指している意識高い系の子たちなのかもしれません。
桜丘中学校の先生も、“積み重ねテスト”の準備、“生徒を寝かせない授業内容”の研究、質問してくる生徒たちに納得にいく説明をしなければなりません。
なので、勉強熱心な良い先生たちが集まっている中学校なのかもしれません。
こんな素晴らしい中学校になったのは、校長先生が先導をきって、改革を導いたからなのでしょう。
しかし、残念ながら校長先生は2020年3月で退職です。
来期も、西郷先生の改革を引き継いでくれる良い方が赴任する事を願っています。
そして、日本全体の中学校が自由な校風になれば理想的ですね。

おすすめの記事